a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 「ねぇ、美和」
 香奈が静かに言った。
 香奈の顔ゆっくり見つめた。
 「私ね、来月アメリカに行くことにしたん
だ」
 「えっ???」
 心が落ち着く暇がなかった。
 ここんとこ、私の周りは、突然なこと多過
ぎだから・・・
 「来月・・・9月なんて後ちょっとじゃな
い。どうして、もっと早く教えてくれなかっ
たの?」
 「美和には、直接言おうと思ったんだけど
それどころじゃなかったでしょ」
 笑顔で言ってる香奈、目の前にして、申し
訳ない気持ちでいっぱいになった。
 「ごめんね。香奈。香奈には、いっぱい助
けてもらったのに、いつも、私は自分のこと
で、精一杯で」
 「何言ってるの。美和は、いつも元気にし

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