a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 夕べは、耳元でずっと雨の音がしていた。
大事なものを、落として目覚めた朝は、せ
つなくて・・・
 だけど、あれは夢だった。
 大事なものって、何だろう?


 「あーっ遅刻しちゃう!」

 時計の針は、とっくにいつもの時間を過ぎ
ていた。
 慌てて、家を飛出した、視界に広がる降水
確立80%の空は、今にも泣き出しそうで、
こんな季節は、あいつのこと思い出す。

 「あーっ傘・・・」
 バスの中に置き忘れてしまった。

 いつもの3つ目の角の階段を降りて、改札
をぬけたら地下鉄のホームが見えてくる。
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