a・ri・ki・ta・riな雨の物語
横に、ピタッとくっついてくる人影がいた。
暇そうな人物のひとりである。
 「佐野係長っていやですね。三島課長と張
り合っても勝てるわけないのに。だって外見
からして違い過ぎだもん」
 そう言ってきたのは、今年入社の松浦 ル
ミちゃんだ。 
 ルミちゃんは、私の後輩にあたる。
歳が近いせいか、何かと私にくっついてくる
 そんなとこは、かわいいのだけど、ぶっと
んだ性格で、世の中気楽に生きてる感じに
は時々ついていけないところがある。
 あまり周りも気にしていない様子で、ルミ
ちゃんの制服のスカートは、女子高生のよう
に、極端に短い。
 最初は、みんな注意していたのだけど、聞
く耳をもたず、今日に至っている。
 そういえば、今朝の私服も胸元が、大胆に
開いてて、女の私でさえ目のやり場に困った
 ナイスバディの彼女は、お気楽な性格も含
めて、うらやましいのである。
 

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