a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 やけに、はしゃいだ声で、私を呼ぶ人がい
る。
 その声の主を見て、言葉を失った。
 「えっ???」
 そこには、すでに身分証明用の会社の名
札を、首からぶら下げて立っている、香奈の
姿があった。
 「香奈、どっどうしたの?」
 「美和を驚かそうと思って黙ってたんだけ
ど、この前みんなで会った時に、前田くんか
らバイト募集してるけど、次が見つかるまで
どうかって話があったの。私もいろいろこれ
からのこと、整理することもあるし、とりあ
えず、することにしたの。なんせ、ずっと家
にいると両親がうるさくてね」
 いつものサバサバした香奈がいた。
 「えーっ香奈と一緒なの」
 私達は、思わず手を取り合って喜んでいた
 もう何がなんだかわからない。
 だけど、見知らぬ惑星で、同郷の宇宙人に
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