a・ri・ki・ta・riな雨の物語
巡りあったみたいに、嬉しかった。
 それに、香奈の両親がうるさいというのも
よくわかる。
 香奈が戻ってきた理由も理由だから。
 私も、パパとママがうるさい実家組だし。
 「美和、前田くん今、実家出て、マンショ
ンに一人暮らしみたいだよ」
 「やだー香奈、もう関係ないよ」
 わたしは、軽くかわした。
 そう公平が、今どう暮らしているかなんて
私には、どうでもいいことだった。
 「あの人が、三島さんね」
 香奈は、腕組みして、ドアの隙間から、チ
ラッと見えた三島課長を目で追いかけながら
言った。
  

 三島課長のこと、この吸収合併で心配した
けど、ちゃんと能力をかわれ、現状維持の課
長のままだった。これには、ほっとした。

 

 
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