a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 目覚めたところは、見覚えのあるベッドの
上だった。
 会社の医務室だ。とりあえず、救急車で運
ばれていないことに、ほっと胸を撫で下ろし
た。
 「美和気がついた?」
 「香奈・・・着いててくれたの?」
 「昼休みの間だけね」
 見ると、12時を過ぎたところだった。
 「ただの貧血だってよ。レバーとかちゃん
と食べてる?」
 香奈の顔見ると、ほっとする。
 「香奈・・・」
 「どうしたの?」
 私は、ひとつひとつ心の中で整理しながら
香奈に昨日のことを、話始めた。
 三島課長に心が揺れていることも・・・
 そうしたら
 「心のまま、正直に・・・でいいんじゃな
い」
 香奈は、そっと言った。

 
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