a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 「ぼくらには、カギをあける佐野主任のID
パスワードは、わからないですよ。とにかく
あさっての会議に間に合うように、みんなで
探しましょう」
 公平が冷静に、かつ的確に言ってのけた。
 なんか冷静さを失っていた私の言いたかっ
たこと、全部言ってくれたからすっきりした
 それで、その場は落ち着いたんだけど、C
Dディスクどこにいっちゃったんだろう。
 みんなは、私に同情してくれたり、なぐさ
めてくれたけど、やっぱり佐野主任には、あ
ったまにきている。ムカついてくる。
 倒れたことが、うそのようにエネルギーが
発散していた。
 会社を出てからも、エネルギーの発散が止
まらず、駅に向かいながら、雨の音を聞いて
気持ちを静めていた。
 すると、公平が追いかけて来てくれた。
 「美和、今日はいろいろあったけど、病み
上がりなんだから、ゆっくり寝ろよ」
 
 
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