a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 そう言いながら、公平が私を除きこんだ。
 「おまえ、泣いてんのか?」
 公平が、意外って顔で聞いてきた。
 私だって、泣くことくらいあるわよ。ば
かぁ!そう思いながら
 「もうどうだっていいでしょ。頭にきてる
んだから・・・」
 そう言って、無視して歩きはじめた。
 「美和、飯食いにいくか?」
 後ろで、公平の声がした。
 ご飯。そういえば無償にお腹がすいていた
考えてみれば、倒れて、お昼ご飯食べてな
かったんだ。
 このイライラは、そこに原因があるのかも
 「うん」
 おいしいものが解決してくれる。私は、振
り向いて、素直に返事をした。
 雨は、相変わらず2人の間に降り続いてい
た。
 と・・・突然会社の正面玄関の自動ドアが
 
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