a・ri・ki・ta・riな雨の物語
 香奈の言葉に、もう1度昨日の記憶を辿っ
てみる。
 「CDが佐野主任の手に渡ったのが夕方で
女の子は次々と帰っていったのよね。
佐野主任もそのうち帰っちゃって、残ってい
たのは、私とつまづいて電源をおとしっちゃ
ったルミちゃんが、責任感じて少しだけ、社
内にいたけど、いつのまにか帰ってた」
 「他には?」
 「うーん、外出してた男性社員が戻ってき
たり出入りはあってけど・・・最終的には、
私1人の時間て多かったんだ」
 「その間、美和にアリバイなしか」
 おかずのウィンナーがのどにつまりそうに
なった。
 「ちょっ 香奈ー」
 「あは、ごめん ごめん」
 香奈が笑いながら言った。
 「その後、三島さんが帰ってきて、美和と
あんなことになって、前田くんが入ってきた
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