女子高生が白狐の許嫁!?
「・・・音春?」

李斗は音春に呼ばれた気がして目を覚ます。
「・・・・・・気のせいか。」

そう思った瞬間だった。

「李斗!李斗!」

珍しく焦った様子でカオルがやってきた。

「・・・どうした。カオル。」

その手には紙切れが握られていた。

「音春ちゃんが・・・音春ちゃんが」

「音春がどうしたんだ。」

「・・・これ」

カオルの持っている紙を見るとそこには

お前の女は預かった。
明日、9時ちょうどに武蔵村に来い。
さもないと、この女の命はないぞ、李斗。

綾乃坂

と、書かれた紙と

綾乃坂に拘束された音春の

酷い姿の写真が添付されていた。

「・・・綾乃坂のやつ、音春を。

武蔵村・・・。」

「・・・あたしのせいだわ。こんな夜に洗濯物頼んで・・・

それで・・・それで・・・!音春ちゃん」

泣き叫ぶカオルの頭を優しく撫でる。

「カオル、落ち着け。大丈夫だ。

おまえのせいじゃない。

気づけなかった俺のせいだ。」
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