女子高生が白狐の許嫁!?
「・・・了解。

俺はあいつの魔力をギリギリまで弱めとくから、カオルを呼んでこい、李斗。

毒鞭を壊すのにはカオルの力がいる。」

「わかった。ここは頼んだぞ。冬青。」


「早く行け、

・・・っ、極楽憐憫(ごくらくれんびん)。」

李斗が姿を消したのを確認してから、

冬青が綾乃坂の魔力を弱める。


この能力は敵から大量の魔力を吸い取るものだ。


・・・が、綾乃坂には全くと言っていいほど効かなかった。

「・・・くくっ。そんなもんなんか、冬青ぉ。

お前も落ちぶれたなぁ!

闇に落ちな、黒棺(くろひつぎ)。」

そして、綾乃坂は手に持っている漆黒の魔剣を冬青に向かって振りかざす。

その剣を華麗に避ける冬青。

「・・・くっ、お前もな。

・・・地を貫け、天羽々斬(あめのはばきり)。」

冬青も、天の川の如く光り輝く剣を召喚する。

この"天羽々斬"は、冬青にしか使いこなせることができない特別な剣だ。

冬青の決め技の一つでもある。

冬青がこれを使う時は






本気モード ということを意味する。

冬青の卓越された剣術を、楽々と交わす綾乃坂。

天羽々斬は大きな魔力を使うため、体力の消耗が激しい。

「冬青!!

もうそれ以上は・・・」

疲れ果て、ふらふらしながら戦い続ける冬青の姿を見た白夜が叫ぶ。

「・・・どーしたぁ、冬青。

もー、疲れたんか?」

「はぁ、はぁ、はぁ・・・。

っ、ここで殺られるわけには・・・」

「冬青、、、、!!」
白夜の叫び声と同時に、体力の限界を迎えた黒猫の姿の冬青がゆっくりと地面へ倒れる。
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