女子高生が白狐の許嫁!?
「厄介なのが帰ってきたわね・・・」

話を聞き終えたカオルはぽつりと呟く。

そして、続ける。

「あの女は、すっごい気分屋で、うるさくて、

誰にでもすっごく馴れ馴れしくて・・・。



でも、男を夢中にさせる何かを持ってる。」

「・・・夢中にさせるもの?」

確かに、彼女は男を引きつける力みたいなものを

持っている気がした。

「えぇ。李斗もそれに引っかかった1人よ。

私と冬青以外はみーんな夢中になってた。


特に李斗はね。

まぁ、俗に言う・・・魔性の女ってやつね。」

「魔性の女・・・」

たしかに と音春は納得してしまいそうになる。

さっきの李斗の反応を見れば分かる。

「李斗はそんな彼女にベタ惚れだった。

また、彼女も李斗にベタ惚れだったわ。」

それを聞いた音春の胸が締め付けられる。

そして、音春はずっと気になっていたことを口に出す。



「どうして、別れちゃったんですか?

・・・好き同士だったのに」


「あの女がある日突然失踪したからよ。」

「・・・え、失踪って」

失踪・・・

ドラマでしか聞いたことの無い2文字。

「・・・彼女は李斗との結婚を目前に控えたある日


私たちの前から姿を消したの。

それで1年経った今、姿を現した。」
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