女子高生が白狐の許嫁!?
カオルは少し怒りの篭もった口調で続ける。

「絶対何かを企んでるに違いないわ。

私は気分屋がいっちばん嫌いなの!

だから、私はあの女の声とかが癇に障るの・・・。

李斗が何であそこまであの女に夢中なのか

ぜんっぜんわかんないけど、

まったく・・・李斗も李斗よ。

・・・音春ちゃんがいながら

あの女、李斗に近づいて何するつもりかしら。」

「もしかして、李斗とよりを戻そう・・・とか?」

冗談交じりに言った音春の言葉を

「あるわね。あの女ならしかねないわ。」

と、素直に返すカオル。

「・・・負けちゃダメよ、音春ちゃん。」

「え?」 と素っ頓狂な声を出す音春の肩を

カオルが掴む。

「李斗は今はあなたのものなの。

あんな女に簡単に渡しちゃだめよ。

油断したら、




李斗、あの女に簡単に取られちゃうわよ。

なんせ魔性の女なんだから。」

李斗が取られる・・・

その言葉に音春の胸はますます締め付けられる。

(・・・嫌だ。そんなの嫌だ。)



・・・・・・音春はまだ恋をしたことがない。

だから、この胸の高鳴りが何なのか

わからない。

・・・ただ、分かることもある。

自分をいっつも守ってくれる李斗。

目が合うと、笑顔を返してくれる李斗。

優しく甘い言葉を囁く李斗。


そんな彼に音春は確実に惹かれている。

そして、彼女はきっと彼に



・・・恋をしている。

そして、音春はこう返す。



「頑張らなきゃですね。私。」

「・・・うん。私が全力でサポートするわ。」

2人の少女は手をがっちりと重ね合わせた・・・。
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