女子高生が白狐の許嫁!?
「・・・悪かった。こんなことさせてほんとに」

30分程前から続く冬青の土下座に

音春は10回目の

「大丈夫ですよ、冬青さん。

冬青さんの秘策のおかげで、李斗の気持ちも分かりましたし。」

と、言い続ける。

「冬青。

あんたのやったことは無駄じゃなかったんだから

・・・ほら、元気出しなさいよ。」

と、カオルがなだめる。

「音春ちゃん。」

「何ですか?カオルさん。」

「まさか、諦めるなんて言わないわよね?」

「・・・え、いや私は」

李斗は今音春のことを好きじゃない。

しかも、相手は李斗の事を私なんかより

もっとよく知っている元カノ・・・。

そんな人に勝てるわけない・・・

音春の気持ちは完璧に折れている。

「・・・音春ちゃんは、李斗の事好きなんでしょ?」

「・・・わかんないんです。

李斗のこと、好きなのか好きじゃないのか。」
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