女子高生が白狐の許嫁!?
「じゃあ、もしも・・・

李斗があの女と婚約でもしたらどうする?」

カオルの現実味のある質問に音春はたじろぐ。

「・・・・・・しゅ、祝福します。」

「ほんとの気持ちを教えて。」

カオルの真剣な目つきに音春は

「・・・祝福したいけど、

・・・絶対できません。」

と、正直に答える。

「音春ちゃんは、李斗をどうしたいの?」

「・・・私は」

音春は今の気持ちをカオルに正直に淡々と喋る。

李斗のことが好きだということ。

李斗とずっと一緒にいたいこと。

李斗を愛していること。

話が終わると、カオルは冗談っぽく言う。

「・・・なんで、李斗はこんないい子に好かれて、

私はいっつもろくな人に出会えないのかしら。」

「カオルさんのことも好きですよ。」

音春が即答すると、

カオルが珍しく頬を若干赤く染める。

「急に言われると、ドキドキするじゃないの・・・。

まぁ、好きのジャンルが違うと思うけど。

ふふっ。ま、いいわ。」

カオルがはにかむように笑う。

「私はここにいる皆のことが大好きです。

みんな優しくて、楽しくて、強くて・・・。




私にとってその中でも李斗は特別なんです。」

頬を赤くしながら音春は自分の気持ちを伝える。
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