女子高生が白狐の許嫁!?
湊叶を追いかけようとする李斗の袖を

か細い手が引っ張る。

「音春・・・俺、あいつと話つけないと」

「・・・いかないで〜。ここにいて〜。」

袖を引っ張る力が強くなる。

「・・・・・・・・・わかった。

怖い思いさせて悪かった。」

微かに震える音春の体を抱きしめる。

「全部私が悪いんだよぉー。ううっっ」

「お前は悪くない。

あいつがお前を悪酔いさせただけだから。

・・・とりあえず、水。」

「・・・ありがとう。うう」
音春は泣いた。


家中に響き渡るような大声で泣いた。

・・・

「・・・うっ。安心したら吐き気が・・・」

「お、おい!まて!

・・・トイレいくぞ!」

騒がしい足音が廊下に響き渡った。
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