笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


私は何秒かその画面を見つめると、そのままそっとメッセージを送信した。


「…変なの」


出会ったばかりで連絡先を交換し合ったこと、初めてのメッセージがなんてことない内容だったこと。


そして、この私がそれを嫌だと感じていないこと。


全てが昨日までの私が見ていた世界と違う世界に見えて、可笑しくて、変だ。


スマートフォンの画面の光を消して、真っ暗な部屋の中に横になる。


何の音もしない、何の印もない、静かな私の部屋。


だけどひとつだけ、その姿を主張するものがある。

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