笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


短冊なんて、触れたことすらない。


私の生きている世界に、願いなんて必要ない。


――今まで、そう、思っていた。


だけどもし、今私の元に短冊が降ってきたら。


私は今年も、願うことなんてしないのだろうか?


少し変わった、いや、自分の中では大きく変わったこの世界に、何の願いも込めないのだろうか?


違う、きっと、私は――

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