笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
私は、プレゼントを持ったまま片手で部屋の電気をつけ、それからベッドに腰を下ろした。
明るくなった部屋の中で、私はそのラッピング用紙を丁寧に開けていく。
子供の頃から、プレゼントのラッピング用紙は丁寧に開けていくタイプだった。
一方双子のりぃはここでも私とは正反対で、丁寧に開けるどころか最初からそんな気はない。
指に触れたところからビリビリとラッピング用紙を破って開封していくのだ。
幼い頃、“女の子なんだからもっと丁寧に開けなさい”なんて母親に呆れられていたこともあったけど、りぃはこれがいいのだと言って聞かなかった。
でもそんなところも、りぃらしいのかもしれない。
私は頭の中でそんな昔話を思い出しながらラッピング用紙を剥がし終え、いよいよその箱をゆっくりと開けた。