笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


学校にアクセサリーなんてほとんどしていかないし、休日の日も特にそういったものは身につけない。


私がアクセサリーに興味がないことなんて、両親が一番知っているだろう。


それなのになぜ、これをプレゼントしてくれたのだろうか。


こんなに、キラキラとした光沢を放つネックレスを。


どうして私に、プレゼントしてくれたのだろうか。


私は箱からネックレスを取り出し、手のひらの上に広げてみる。


電気の光に当ててみると、ネックレスの輝きはなお一層引き立って。


やっぱり、キラキラ。


これが私に似合うかどうか、分からなかった。


――私は、しばらくそのネックレスを見つめていた。


「…あれ」

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