笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
大きな世界をひとつに繋ぐこの空が、小さな呼吸しかできない私を苦しめる。
「…ハンバーグだって言ってた」
私は空から視線を外し、何秒か経った頃に口を開いた。
いつの間にか止まっていた、数秒の時間と自分自身の足。
りぃは立ち止まった私に気がつかず、そのまま前へと歩いていく。
少しずつ遠くなっていく、りぃの背中。
だけどその背中を見れば、私は私の場所にいることを確認することができる、いつだって。
どんなときも、どんな私も。
受け入れて、そばにいてくれたのはりぃだった。