笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
「ごめんねみぃ~心配かけちゃって!」
家に着いて急いでりぃの部屋に向かいドアを開けると、額に冷えピタのシートを貼ったみぃが、ベッドに座った姿で私を迎えた。
「はぁ…全然元気じゃん」
私の予想は正直悪い方に向かっていて、もっと熱が上がったとか、熱は下がったけど物凄く具合悪いとか、そういうことになっているのではないかとまで心配していた。
心配して損はしたけど、いい結果に越したことはない。
思ったよりは元気そうで、良かった。
「ごめんごめん、点滴受けてきたら楽になったの」
りぃは笑って、何だか嬉しそうに話す。