笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


そう言って私に教えてくれるりぃは、朝に38度の熱があった人とは思えないくらい本当に元気だ。


でも熱のせいでりぃの頬は少し赤いから、やっぱりいつものりぃとは違う。


「夜遅くまでドラマばっかり観てるからだよ」


いつも私が寝る頃に、隣の部屋からドラマの主題歌の音が聞こえてくるから、りぃが遅くまでドラマを見て翌日には寝坊していることを私はきっと一番知っている。


「まぁね、これから気を付けまーす」


「…それ絶対気を付けないでしょ」


「あ、バレた」


「もう」

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