笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
りぃが敬語を使って文章の語尾を伸ばすときは、はじめからそんな気はないという気持ちの表れ。
昔からいたずら好きだったりぃが両親に注意されたときの対応を見てきたから、大体分かる。
大雑把で、雑で、“女子力”なんてないけど。
――ずっと私の、憧れの人だった。
今まではずっと、どうしてりぃを憧れの目で見ているのか、自分でも分からなかった。
勉強なら私のほうができる。
スポーツはりぃのほうができるけど、私だって体育の成績は悪くないし、総合で見たらバランスがいいのは私なはずだ。