笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
でも、みるみる明るい表情へと変化していって。
「そう思う時点でもう、恋は始まってるんだよ!」
りぃの笑顔は、いつもに増して嬉しそうだった。
そう言って、りぃに両肩を掴まれた。
その力強さに、私は圧倒される。
――もう、恋は始まっている。
私のこの想いの名前は、やっぱり“恋”だったんだ。
間違いなんかじゃない、これは――恋。
まさか私が、こんな風に誰かを好きになるなんて。