笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


「いいよ、もう」


私はそれだけ言うと、少し早足で歩き出す。


「あ、みぃ待ってよ~」


これ以上何かを聞かれると、答えてしまいそうだ。


りぃにからかわれるのが面倒になった私。


からかいすぎて私に逃げられてしまったりぃ。


だけど、この光景がいつもの私たちらしくて。


いつもと同じその会話に、私は小さな嬉しさを抱きしめていた。

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