笑顔を持たない少女と涙を持たない少年




それから校舎に入った私とりぃは、いつものように自分の教室へと向かった。


「じゃあね」


「うん、またねー」


私はりぃにそう声をかけ、りぃが教室に入っていくのをそっと見送った。


そしてそれを確認してから、目的地へと歩き出す。


奏のいる、あの部屋まで。


ここを過ぎて、もう少し歩けば、到着する。

< 217 / 463 >

この作品をシェア

pagetop