笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


そしてりぃを追うようにして、教師もその場から去っていったから。


私は、奇跡的に怒られなかった。


怒られると思って心の準備をしていた。


だけど今は、その準備なんて必要なかったのだ。


「依美」


奏が、笑いながら私を呼ぶ。


キーンコーン…


同時に鳴り響く、聞き慣れたチャイムの音。


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