笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


彩菜さんは、どんな人だったのだろう。


きっと綺麗な人だったのだろう。


きっと素敵な人だったのだろう。


私とは、比べ物にならないほどに。


奏が私を好きになってくれるかもしれないだなんて、どこかで期待していたけど。


そんな自分が、情けなくなった。


奏は格好いい、そして綺麗だ。


こんな自分となんかじゃ、釣り合わない。


浮かれて、いたんだ。

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