笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
ガラガラ…
図書室に着いて、俺はそのドアを開く。
まだ入学して2日だ。
校内の教室の位置さえ曖昧にしか覚えていないし、入ったことすらない教室だってたくさんあるから、もちろんこの図書室に入るのも初めてだ。
俺は本が好きだから、きっとこの場所はこれから俺の場所になるだろう。
そんな思いで、図書室の中に、入った。
昼休みなのに、誰の姿も見当たらない。
一人で、集中して本が読める。