笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


一瞬、返す言葉を、見失った。


「依美、答えなさい」


その言葉に、急かされた私は。


「授業に出ていなかったことは、ごめんなさい」


小さく頷いてから、まず、謝った。


でも。


しっかり自分の意思を伝えるって、決めた。


どうして授業に出ていなかったのか。


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