笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


――それはきっと、とても嬉しいことだった。


「…りぃもね」


制服に着替え、いつものごとくポニーテールにし終えていたりぃを見て、私はそれだけ呟いた。


「今日は年に一度のハッピーバースディだよ、みぃ!たくさんいいことあるといいね~!」


りぃの笑顔は、眩しくて。


大人になるにつれて少しずつ変わっていく、毎年少しずつ変わっていくりぃのその笑顔に、私は頷く。


いや、それとも。


変わっているのは、私なのだろうか。


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