笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


そもそも私は――


生まれてきたことを祝福されていいのか、分からないから。


隣のりぃを、横目でチラッと見てみる。


眩しい笑顔、明るい言葉、元気な声。


その全てに、私は自分の中で何かを納得させていた。


りぃと私は、違うから。


りぃに起こるすべてが私にも起こるなんて、勘違いはしないようにして生きていかないと。


そう、私の誕生日は毎年、そっと、消えていくもの。


今年の誕生日も、静かに過ごしたい。

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