笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


チョークを置いて、指先にまとわりついた白い粉を軽く払う。


そう。


――私は、“優等生”かつ、“劣等生”。


もう劣等生でいなくても、自分を表現できる力が私にはある。


だけど、優等生ではいたくないから。


どっちの姿も、私でいい。


どっちの私も、私にしてしまえばいいから。


そんな私にしてしまえば――


こんな問題、簡単だ。


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