笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


私は笑って、教師に向かって頷いた。


するとその教師は、驚いたように目を見開いていて。


そののち、私につられるようにして――笑った。


教壇を降り、自分の席を目指して歩き出す。


ああ、やっぱり私にはできた。


3ヶ月の間一度も授業に出ていなかったから、きっとそれまでよりは成績が落ちたと思う。


解けない問題も、増えたかもしれない。


だけど。


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