笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


それは本人の私たちでさえ、自分たちが本当に双子なのかと疑ったこともあるほどで。


笑うことができない私。


幸せそうに笑うりぃ。


性格や見た目じゃない、もうひとつの大きな違いはそこだった。


でも私は、自分とりぃを比べることは、できるだけ避けている。


そうしていないと、自分が寂しい人間に思えてしまいそうだったから。


りぃと私。


双子だけど、正反対。


私は何度か悩みながらも、これまで私なりに生きてきたつもりだし、これからも私なりに生きていくつもりだ。

< 9 / 463 >

この作品をシェア

pagetop