今宵、君と月の中で。
ツキはもう私にも両親にも懐いていて、人との関わりを避けている私とは違うから。
その自覚があるからこそ、もしかしたらツキは私に拾われるよりも他の人と出会えた方が良かったのかもしれないと思う時もあるけど……。
「少しずつ……本当に少しずつ歩み寄ってくれるようになって、今の関係ができたんだ」
それでも、私はツキのことがとても大切だから、いつも私の傍にいてくれるツキも同じように想ってくれていたら嬉しい、なんて思う。
「名前……なんでツキって付けたんだ?」
静かに紡がれた疑問に、自然と小さな笑みが零れる。
「満月の夜に出会ったから。すごく綺麗な満月だったの」
あの日の夜空に存在していた満月は、それまでに見た中で一番綺麗だと感じた。
さすがにそれは恥ずかしくて言えずにいると、程なくしてクロが満面に笑みを浮かべた。
「ツキは幸せだな。千帆みたいな優しい子に拾ってもらえて」
優しい声音で落とされたのは、なによりも嬉しい言葉。
「きっと、ツキもそう思ってるよ。人間の言葉が話せたら、千帆にたくさん感謝の気持ちを伝えたいと思う」
「それも、超能力?」
素直に漏れた微笑みを隠すように淡々と訊くと、彼が眉を小さく寄せてふっと笑った。
その自覚があるからこそ、もしかしたらツキは私に拾われるよりも他の人と出会えた方が良かったのかもしれないと思う時もあるけど……。
「少しずつ……本当に少しずつ歩み寄ってくれるようになって、今の関係ができたんだ」
それでも、私はツキのことがとても大切だから、いつも私の傍にいてくれるツキも同じように想ってくれていたら嬉しい、なんて思う。
「名前……なんでツキって付けたんだ?」
静かに紡がれた疑問に、自然と小さな笑みが零れる。
「満月の夜に出会ったから。すごく綺麗な満月だったの」
あの日の夜空に存在していた満月は、それまでに見た中で一番綺麗だと感じた。
さすがにそれは恥ずかしくて言えずにいると、程なくしてクロが満面に笑みを浮かべた。
「ツキは幸せだな。千帆みたいな優しい子に拾ってもらえて」
優しい声音で落とされたのは、なによりも嬉しい言葉。
「きっと、ツキもそう思ってるよ。人間の言葉が話せたら、千帆にたくさん感謝の気持ちを伝えたいと思う」
「それも、超能力?」
素直に漏れた微笑みを隠すように淡々と訊くと、彼が眉を小さく寄せてふっと笑った。