今宵、君と月の中で。
進路を決めなければいけない時期なのに、私はまだ進学するということしか決断できていない。
三年生の一学期が終わろうとしている今、進学する子たちのほとんどが進路をちゃんと決めて受験対策をしているのに、進路が決まっていない少数派に所属してしまっているのは不安で仕方がない。
人と関わることよりも、まずは将来のことを考えるべきなのはよくわかっているけど……。
クロとの時間が当たり前のようになりつつあるうえ、学校やインターネットで調べてみてもやりたいことが見つけられないせいで、彼に会うことが息抜きのように思えることもあるくらいだった。
そんな私に対して、両親はとても理解のある対応をしてくれている。
今日みたいに時間がある時には進路についての質問をされたり、アドバイスをくれたりもするけど、答えを見つけられずにいる私を急かそうとはしない。
ガミガミ叱られることも、放置され過ぎることもなくて、適度な距離で待ってくれているのだ。
「大卒の資格はあった方がいいし、勉強しておいて損することはないんだから、やりたいことが見つからなくても今まで通り勉強はサボっちゃダメよ」
「うん、わかってる」
大きく頷いて見せると、母は安心したように微笑んだ。
三年生の一学期が終わろうとしている今、進学する子たちのほとんどが進路をちゃんと決めて受験対策をしているのに、進路が決まっていない少数派に所属してしまっているのは不安で仕方がない。
人と関わることよりも、まずは将来のことを考えるべきなのはよくわかっているけど……。
クロとの時間が当たり前のようになりつつあるうえ、学校やインターネットで調べてみてもやりたいことが見つけられないせいで、彼に会うことが息抜きのように思えることもあるくらいだった。
そんな私に対して、両親はとても理解のある対応をしてくれている。
今日みたいに時間がある時には進路についての質問をされたり、アドバイスをくれたりもするけど、答えを見つけられずにいる私を急かそうとはしない。
ガミガミ叱られることも、放置され過ぎることもなくて、適度な距離で待ってくれているのだ。
「大卒の資格はあった方がいいし、勉強しておいて損することはないんだから、やりたいことが見つからなくても今まで通り勉強はサボっちゃダメよ」
「うん、わかってる」
大きく頷いて見せると、母は安心したように微笑んだ。