今宵、君と月の中で。
本鈴が鳴り、担任の梅田(うめだ)先生が出欠を取り始めた。
その間も、堀田さんのことをチラチラと見てしまう。
挨拶をする相手がいない私は、とりあえず隣の席の彼女に話し掛けてみようと思ったけど……。
それは自分で考えていたよりもずっとハードルが高くて、ただひと言『おはよう』と声に出せばいいだけなのになかなかできない。
必要以上のコミュニケーションを取ってこなかった私にとっては、誰でも簡単にできているはずの“挨拶をする”ということですら難しく、そもそも声を掛けるタイミングがわからないのだ。
本来なら、登校して顔を合わせた段階で済ませるべきことなのだろう。
だけど、堀田さんとは視線すら合わなくて、完全にそのタイミングを逃してしまっていた。
だからと言って、他に自分から挨拶をするような相手もいない。
つまり、私の中の選択肢は今のところ彼女ひとりだけ。
別にクロが見ているわけではないのだから、適当に誤魔化してこのステップをクリアしたことにもできるとは思う。
彼の超能力のことはさておき、自己申告するのだから、それが本当でも嘘でも私の言いたいように伝えることはできるし、だったらできたことにすればいい。
それなのに……。
その間も、堀田さんのことをチラチラと見てしまう。
挨拶をする相手がいない私は、とりあえず隣の席の彼女に話し掛けてみようと思ったけど……。
それは自分で考えていたよりもずっとハードルが高くて、ただひと言『おはよう』と声に出せばいいだけなのになかなかできない。
必要以上のコミュニケーションを取ってこなかった私にとっては、誰でも簡単にできているはずの“挨拶をする”ということですら難しく、そもそも声を掛けるタイミングがわからないのだ。
本来なら、登校して顔を合わせた段階で済ませるべきことなのだろう。
だけど、堀田さんとは視線すら合わなくて、完全にそのタイミングを逃してしまっていた。
だからと言って、他に自分から挨拶をするような相手もいない。
つまり、私の中の選択肢は今のところ彼女ひとりだけ。
別にクロが見ているわけではないのだから、適当に誤魔化してこのステップをクリアしたことにもできるとは思う。
彼の超能力のことはさておき、自己申告するのだから、それが本当でも嘘でも私の言いたいように伝えることはできるし、だったらできたことにすればいい。
それなのに……。