空と海と大地と…
気がついたら、私は元の駅に戻ってきて、
走りだしていた。



―――――時間は5分もなかった。



走り疲れて、体は渇ききっているはずなのに、涙が出そうだった。



私の家に向かう途中の道路。



その時、前の方に海が見えた。



「うみ…!」



息がきれて、声を出すことができない。



でも、心の中では叫び続けていた。



後ろから迫るトラックを見る暇もなく…。

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