ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
守はバイクを飛ばして頑張ったけど、お父さんの方が一足早かった。
もう意識を取り戻していたおじさんに殴りかかろうとして看護師さんに止められているところに、私たちが走り込んだ。
「やめろよ親父!」
「うるせえ、子どもは引っ込んでろ!」
「こんなとこで暴れんなよ、みっともねえんだよ」
守とお父さんがもみ合いになったのを止めようとしたけれど、父は守を力一杯振り払い、巻き添えをくった形で私も飛ばされて背中が壁にぶつかった。
打ち所が悪かったのか、すごく痛くてうずくまる。それに気づいたお父さんは勢いをなくし、看護師さんやお医者さんにやたら怒られて小さくなっていた。
こないだも結局、守とお父さんの間に入って私の脇腹に肘がもろに入ったし、最近ついてない。