ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
守がいきなりあんなこと言ったからだ。
「ごめんね、守が。関係ないのにあいつ、でしゃばりで。しかも会社で。なんか言われちゃったでしょ、あの後」
『なんで謝るんだよ。いい弟じゃん。今更どうしようもないけど、俺がバカだったんだよ、ほんとにごめん。中途半端なこと言わなきゃ誤解されなかったよな』
シゲがため息をつくけど、全然わかってない。
「あんなのシゲのせいだと思ってない」
あれは確かに嫌な思い出だけど、でも純がいたし、結局女子達との関係も今ではそれなりに回復してるし、大丈夫。
「それより、もっと話して欲しかったのに。隠してるとか何度も言われて、詳しいことほんとに知らないとか言えなかった」
悔しい。今さら思い出して、結局涙はこぼれた。付き合ってたとか、否定する気にもならなかった。
「周りが思ってるほど、シゲは私を信用してなかった」
『そうじゃない……でも、ごめんな』
「今度いなくなる時は、せめて先にちゃんと教えて……無理に色々聞いたりしないから」
今、きっと困ったように目を細めてる。見えなくてもわかる。
シゲが悪いんだよ、急に優しくするから。