ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
日曜の夜、連絡が入ったみたいだけど読まなかった。また電話もあったけど、出なかった。
今シゲと話したくない。何言っちゃうかわかんないし、私。会社だったらきっと普通に話せるから、スマホほっといて気づかなかったことにしよう。
しばらくして、守が入ってきた。
「姉ちゃん、ちょっとコンビニ行くから一緒に来てよ」
「なに? どうしたの」
「アイスおごるからさ。話があるんだよ」
進路のことかな。べつに部屋ですればいいのに。でも仕方ない、付き合ってやろう。
少し離れたコンビニまで行って、アイスを買って隣の公園に向かう。でも今のところおじさんまた働くみたいだねとか、なんとなく普通の話しかしてこない。
薄暗い公園に近づくと、外灯の下に先に誰かいた。
「先輩、連れてきました」
守に呼ばれて相手が手を挙げる。ベンチの脇にシゲが一人で立っていた。
「さんきゅ」
「いえ、こないだのお詫びってことで」
なにこれ。守を使って私を呼び出したってこと? 電話に出ないから? でも、守はシゲに怒ってたはずなのに。
「なに? どういうこと?」
「春ちゃんに聞いた。結衣の心配通り再発だけど、今抗がん剤終わったところで、死ぬわけじゃなくて治るらしいよ。一回目より発見早いから平気だってさ」
気軽な感じで、一気にさらっと言われた。