ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?

守はまだ納得行かなそうにしてたけど、私は自分で話しながら、腑に落ちていた。


そうだ、シゲは私が純を思うくらいには大事に思ってくれてるのかもしれない。


傷つかないでほしい。笑っていてほしい。そう思ってる。私を助けてくれようとしてる。でも、それは恋じゃないんだ。


久しぶりに会って抱き合って喜ぶ相手がいる。


私に出会うよりずっと前から好きだった人。私を忘れてた時もずっと覚えてた人。





自分の部屋に戻って、何度か迷ってから結局かんたんな言葉を送る。


【春ちゃんのこと、安心した。ありがとう】


少し考えてもう一度。


【また話したいことがあるときは、聞いてくれる?】

【わかった。待ってる】



文字の向こうに、きっぱりと言い切るシゲの姿が思い浮かぶ。


シゲはきっとわかってない。こういう言葉がどれだけ私を揺さぶるか。でもきっと言えない。純のことも私のことも。
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