ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?

「結衣。で、古瀬とどうなってるのか、いい加減話す気になった?」


あれ? 今、あざの話じゃなかった? なんでいきなり純の話になったのか、全くつながりが見えない。


「どうなってるって? 新しい彼女ができたって話? シゲも真央ちゃんに聞いたんでしょ?」

「隠してることあるよな? こないだ言ってた俺に話したいことって本当は古瀬のことじゃないの?」


ちょっとだけ、口ごもった。純との話をする気はもうない。


「ケンカしてそんなあざできるってなんだよ」

「え? 純とは関係ないよ? これは、お父さんと守を止めに入っただけ」

「止めただけでそんな二箇所も殴られねえよ。しかもそれ、後ろからだろ」


確かに言われてみると、肩と脇を殴られたように見えるのかも。


「本当だよ」


情けない気持ちで言う。こんなことでもすぐに嘘をつくと思われているんだ。




「他にも本当のこと言うなら、信じる」


シゲが何か決意したように言い切るから、私もまじめにうなずいた。


「お前が言わないから俺もいろいろ考えてみたけど。あいつと本当はまだ付き合ってる?」


首を振る。そんな風に思わせるようなこと、私言った?


「古瀬の親に反対されて、別れるってことにしてあるんじゃないか?」

「そんなことない」


絶対ないから、目を見てちゃんと言う。


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