ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
柵に寄りかかって、私の方に向き直る。
「古瀬をまだ好きでいるってだけ? 春ちゃんの時みたいに俺にそういうの話したいとかか……聞くって言ったからな」
どうでもよさそうに聞かれた。いかにも興味ない、つまんない話だなって感じ。
「そんなんじゃないよ」
「じゃあ他になんだよ。言えよ」
呆れたように、めんどくさそうにシゲが言う。言わせるつもりなのは変わらないんだ。
告白するようなタイミングじゃないなって、わかってたんだけど。でも純を好きだなんて思われていたくなくて、口を開いた。
「なんで純を好きなこと前提なの? ……私、シゲが好きなの。聞いてほしいことってそれだよ」
顔をちゃんと見られないでうつむいたまま、でもこれ以上出せないくらいの勇気を出して言った。声が震えそうだった。
でも、返ってきた言葉は冷たかった。
「そんな嘘ついてどうすんだって、こないだも言わなかった? 」
嘘? なんでそんな風に。思ってもみない反応に驚いて顔を上げた。
「彼女ができたって聞いただけであんなに動揺して電話してて、でもあいつじゃなくて俺の方が好きなんだ? 」
あの電話を聞いてたの?
目が合ったら「悪いな。聞いてた」と冷ややかに言う。