ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?

翌朝は、あまりにも目が腫れてバイトには行けなかった。綾さんには調子が悪くて行けないと伝えた。ギリギリ嘘にならないように。


当たり前だけどシゲからは連絡がなくて、また電話があるんじゃないかと微かに期待していた自分のバカさ加減に呆れてまた涙が出た。


何年経っても、バカな期待を止められない、私は。何年経ってもうまく忘れられなくて、それどころかもっと好きになって。ちょっとした優しさや親しさを見つけては、もしかしてって。




守がもう夏休みじゃなくてよかった。うちにいたら色々聞かれるし、きっとまた勘違いして怒り出す。


でもこんな時、私は話を聞いてもらう友達がいないんだって気がついてますます落ち込む。ご飯を食べたり遊びに行ったりする相手がいないわけではない。でも失恋話も何もかも打ち明けられるような女友達が私にはいない。


付き合ってる彼とのあれこれを他の子みたいに楽しそうに話すことができなかったし、なぜか恋愛のアドバイスを求められたりしてもどうしていいかわからなかったし。


大人、クール、落ち着いてる。


そんな見せかけから抜け出せなくて。「結衣ちゃんて私たちのことバカにしてない?」と離れていった友達もいた。


一番の親友だったはずの純も、今、私と距離を置こうとしてる。振られたら純に言おうと思ってたけど。シゲに振られた上に純を好きだと思われてるの、なんて言えるわけなかった。

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