ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
公園につくと、入口近くのベンチにうずくまるように純が座っていた。声をかけると泣き顔を上げたけど、やっぱり酔ってる。お酒臭い。ワインの小瓶を持ってるのを取り上げた。
「結衣、ごめん。結衣の、いうとおりだったんだよ。あんな風に、簡単に付き合うことにした僕が、馬鹿だったんだ。部屋に、知らない男が」
まだ涙目で抱きつこうとしてくるけど、男とか言っちゃダメだよ!
いや、恋人の浮気相手の話みたいだから男でいいのか。わかんなくなる。とにかくしゃべらないで。
「純、落ち着いて。シゲもいるから、ね。ちょっとお水とか飲もうか。大丈夫だから」
肩をつかんで顔を覗き込んで話す。お願い、変なこと口走らないで。
純が顔を上げて、ハッとした。
「東城くん! ごめんね、ごめんね、僕、結衣には、なんにもしてないから」
慌ててパッと私から手を離して言う。
「純、何言ってるの」
「なんにもって、なんだよ。どういう意味?」
シゲが目を細めた怖い顔で、純にすごむ。
「ほんとになにも。触ってもいないし、キスだってしてないから」
「別れてんだったら当然だろ」
「違うから。結衣は、僕を、守ってくれただけだから」
純がふらつきながら立ち上がった。