ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
しゃがんで 私の足の状態をチェックすると、「ひねっただけっぽいな、確かに」とシゲが言った。あとお尻を打ったけど、ただの打撲だと思う。
「ちょっと待ってて」
そう言ってシゲは薬局でいろいろ買ってきてくれて、ペットボトルも渡してくれた。
隣に座って下を向いている純にも、水を飲むように言っている。
足を冷やして応急処置をしてくれた後、自分はベンチの横に立って、ついに聞いてくる。
「古瀬、さっきの結局、どういう意味?」
「……ぼく、ゲイなんだ。結衣はそれを隠すために彼女のふりをずっとしてくれてただけ」
うなだれたまま、純が答える。ごめんね純、こんな風に言わせるつもりなかったのに。
「結衣が俺に言えなかったってのは、相手が俺だったからってこと?」
「そうだと思う。ごめんなさい」
「悪いけど、俺全然男とか興味ない」
「うん、わかってる。ごめん」
「告白されて断るとか別にないわけじゃないし、そっちが謝るようなことじゃない」
関係ないところでグサッと胸を刺された気がした。私のことだ。
「でも、気持ち悪いと思うでしょ」
「そんなにいい気分ではないけど、正直に言えば。でも悪いけど、俺にとってはそんなにおおごとじゃない。友達にもたぶんいる、そういう奴。確認してないけど。だいたいそれ中学の時の話だろ。今更じゃん、お互い」