ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
純にお金があるか確認して、シゲは私たちをタクシーに押し込んだ。
自転車は何とかしとくから気にするな、明日とりあえず病院行け、ととにかく命令口調。仕事のせいか、やたらと偉そうな人になっちゃったのが、たまにきずだ。
「ごめんね、結衣。ごめん」
酔って泣いていたはずの純は、酔いがさめてるはずでもタクシーの中でひたすら泣いて謝っていた。私も結局は暴露してしまったことを謝っていたけど、二人で謝り合っててバカみたいだね、と少し笑えた。
「純は私の親友だよ。これからもずっと」
そう言ったらまた純が泣いて、二人で泣きながら帰った。
「東城くん、やっぱりかっこいいね」
ひどい目にあったくせにそんなことも言う。かっこいいかな、乱暴じゃない?
「振られちゃったね」
そう言ってから、純に聞かれないように小さく口の中で「二人とも」と付け足した。落ち着いたら今度ちゃんと純に話そう。
親友に慰めてもらって、二人でシゲの嫌なところもいっぱい見つけて、悪口を言いまくって、一緒に諦めようね。